服を買いすぎてしまう理由の一つに、
自分のファッションスタイルが確立していない
ことがよく挙げられます。
しかしどうすれば「自分のスタイル」が確立できるのか?
この記事では、わたしの経験からその方法を4ステップで紹介していきます。
「自分のスタイル」を確立しているミニマリストのファッションに興味がある人も、ぜひ読んでみて下さい。
ステップ① 試着する
まずはオンライン購入をやめて、店舗で試着します。
結局、服について理解するためにいちばん必要なことは、着ることだと思います。
ファッションに関する「理論」や「ノウハウ」は巷に溢れていますよね。
しかしその理屈が必ずしも「自分のスタイル」の正解であるとは限りません。
そもそも人はみんな体型や肌色、髪質が違うから、似合う服が違います。
それでいてあくまで「自分のスタイル」ですから、理論上の似合う服が気に入るとも限らない。
似合っているし、気に入ったし、じぶんのトレードマークにしたいなと思える服。
それを見つけるには、遠回りでも試着するしか方法はありません。
服を着て、鏡を見て、考える。
そしてまた、着て見て考える…。
この繰り返しがファッションリテラシーを上げる一番の努力だと思います。
幸い、試着は無料です。
時間をつくって、できる限り試着にトライするのをおすすめします。
ステップ② 買ってみる
「自分のスタイル」とは何も見た目の問題だけではありません。
ライフスタイルの問題もあります。
小さな子どもがいて、公園でよく遊ぶから軽量かつイージーケアが良い。
車によく乗るから、ロングコートよりもショートブルゾンが良い。
肌が弱いから、化学繊維より天然繊維が良い。
人それぞれ服に求めるものが違うし、実は自分自身も求めているものに気づいていないことが多いです。
これはやはり、実際にその服を購入して、着て、生活するしか方法はないでしょう。
前提条件(ライフスタイル)が人それぞれである以上、自分で実験しない限り、答えには近づけません。
服は、その服と一緒に暮らさないと見えてこないことが、本当に多いです。
試着して見た目では納得した服でも、家に持ち帰るとあんがい着ない。
「こんなにシワが入るのか…(アイロンめんどくさ…)」
「首元すぐよれる…。(買い替えるのダル…)」
そんなこともしばしば起こります。
しかしそうした失敗は前提。
失敗を経て、徐々にファッションリテラシーが上がっていくのが、現実的なところだと思います。
購入前に感じる「これはじぶんに合っているかも…」という仮説の精度は、それまでの経験に基づいています。
予算の許す限り、試着して良かった服は家に持ち帰ってみて下さい。
ステップ③ 手放す
試着も購入も勉強であり、挑戦です。
挑戦する限り、失敗するのは当たり前。
でも失敗をそのまま放置していると、クローゼットに服が溢れ、挫折感でいっぱいになり、下手するとファッションが嫌いになってしまうかもしれません。
それでは本末転倒なので、着なくなった服は快く手放していきましょう。
関連記事:大人のクローゼットをつくりたい人へ。正しい服の手放し方、捨てる基準をミニマリストの整理収納アドバイザーが解説
ステップ④ 妥協する
おそらくここが最大のポイント。
少しずつ見えてきた「自分のスタイル」も、適当なところで妥協します。
っというのも、わたしたち一般人が購入する服って既製服ですよね。
既製服がぴったり合うってことは、まぁまずないわけです。
「合う服は基本的にない」という前提なのに、完璧を求めすぎると、
いっぱい買って、いっぱい捨てる
の繰り返しになります。
いたずらに消費を繰り返すのは、あまりヘルシーではないと思います。
服に興味を持って、いろんなファッションに挑戦する。
ファッション業界への理解を深める。
それはとても素敵なことだと思います。
しかし新しい服や着こなしが、無限に生まれ続けるのがファッションの世界です。
業界やメディアが、
「あなたはこのぐらいで良いですよ」
と線引してくれることは決してありません。
だから完璧を目指して新しい服や提案をすべて試していたら、お金と時間がいくらあっても足りなくなります。
他者が妥協案を提供してくれない以上、ある地点で「まぁ、このぐらいでいいか」と自分自身で妥協するしかありません。
妥協と言うとネガティブな気がしますが、言い換えればそれは満足。
「ここまでがんばって研究したし、今はこれくらいで良しとしよう」という心持ち。
ふっと肩の力が抜けると、きっと満足感が生まれてくると思います。
実はミニマリストも…
「自分のスタイル」を確立しているミニマリストのファッション。
「カプセルワードローブ」や「私服の制服化」は、ある種の魅力がありますよね。
そういった動画やブログを見ると、
「芯のある人」
「ブレない自分」
「理性的で賢い人」
そんなポジティブなイメージを抱くと思います。
ところがたいていのミニマリストは、服を大量に持っていた時代を経て、そうなっています。
まぁ、書籍だとストーリー上の都合もあるかもしれませんが、
わたしもかつては服をたくさん持っていて…
という一節は必ず目にしますよね。
冒頭からお話した通り、服への理解は「着る経験」がもっとも大切です。
そう考えると、ミニマリストのかつて服が溢れていた時代も、必要な経験だったと言えるでしょう。
例えば憧れのミニマリストがいて、そっくりその人のワードローブを買い揃えたとする。
ところがいざ真似しても、あんがい満足感がなかったり。
それは積んできた経験や、その人と自分の現状が違うからです。
しかしこう言うと、
だからあなたもいっぱい買おう!
というメッセージに受け取られかねない(笑)
そうならないためには、やはり「妥協する」のがいちばんのポイントになってきます。
実のところ、
これがわたしのマイスタイル!
とは、宣伝文句のひとつでもあるのです。
「自分のスタイル」のヒントになる提案は延々と続きます。
全てを試していると、あれよあれよといつの間にか服を買ってしまい、最初に目指した「買いすぎ防止」はどこ吹く風。
つまり「自分のスタイル」は、
- 買って、着て、暮らしてみないと見つからない
- 一方で買いすぎれば、これまた見つからない
という矛盾した側面を持っている。
だからどこかで勇気を持って妥協案を採用するのが、いちばん大事なポイントです。
ぜひそこを大事に「自分のスタイル」を研究してみて下さい。