The minimalists(ザ ミニマリスツ)と名のる、ジョシュア・フィールズ・ミルバーンとライアン・ニコデマスの2人組ブロガーによる著書です。
彼らのブログから選りすぐりのエッセイをまとめた本になります。
日本での刊行はミニマリストブーム前夜の2014年。
わたしはミニマリスト、シンプルライフに関する本はたくさん読んできましたが、元祖に位置づけられるこの本は読んでませんでした。
旅先の仙台で、ふと無印良品に入ったらこの本を発見。(仙台駅前のロフトにある無印良品は本がたくさんあっておもしろいですね)
旅のお供に買ってみたのでした。
わたしがミニマリストに触れたのも、もう何年も前。
はじめて知ったときは「なるほど!その手があったか!」というような、なんだか得した気持ち、しっくりくる気持ち、鮮やかな感動がありました。
実のところ、わたしはミニマリストになりきれていないですが、そのエッセンスは大好きで、今もできる範囲で取り入れています。
そのミニマリストが大好きになった当時の「みずみずしい気持ち」がこの本にはたくさん詰まっていました。
ミニマリズムに背中を押される瞬間の、みずみずしい気持ち
この本は著者のふたりの「さぁ!これから人生が変わるぞ!」といった気概に溢れています。
この本で描かれているのは、彼らがミニマリズムに取り組み始めて、2年目ぐらいの時期。
少しずつモノを減らしていって、そのたびに自由を感じることができて、その効能をヒシヒシと感じている時期です。
「ミニマリズムが楽しくてしょうがない」とノッている時期なんですね。
当然、翻訳された文章になりますが、それでも筆に勢いがあり、ミニマリズムに対する「全能感」や「万能感」があちこちで感じられます。
伝わるメッセージも実にシンプルで、モノや情報、時間の使いかたをミニマリズムによって整理することで、
- 健康
- 人間関係
- 使命(ミッション)
- 情熱(パッション)
に集中しよう!と、繰り返し伝えられています。
ほんとうにそれだけ、と言っても言い過ぎではないかもしれません。
メッセージもすごくミニマル。
それでも不思議と飽きずに読み進められたのは、わたしがミニマリスト好きというのもありますが、彼らの具体的なエピソードにリアリティがあるから。
また長短さまざまなエッセイが不規則に登場するので、本全体にリズム感がある編集のおかげだと思います。
結果、とても読みやすい本に仕上がっています。
旅行中に読むにはピッタリでした。
2014年から語られていた、デジタル断捨離
個人的に興味深かったのは「僕の最も生産的な行動はインターネットを断ったこと」という章。
ここ数年、わたしはデジタルデトックスだとかネット依存に興味があります。
現代は「情報過多」であるのは言うまでもなく、スマホの登場によってその情報たちに常時接続することが可能になり、かつコロナ禍を経て、ネットに関わる時間がかつてないほど多くなっています。
そして今ほど熾烈な環境でなかった2014年ですら、ミニマリストはインターネットを断つ効能を語っていた。
著者の「ネット回線を解約する」というアイディアは逆に新鮮でした。
わたしはネットが主戦場の仕事なので「それだけはない」と思っていたことです。
しかし、たしかにメリットはあるようで、想像するにさぞスッキリするだろうなぁと思います。(でもムリかもなぁ…)
2014年ですら、ネットを断つことで「スッキリ感」があったのですから、2021年現在に実行したら、もっと劇的な変化があるでしょうね。
わたしはここ最近、挑戦的にミニマリズムに取り組んでいませんでした。
ある意味で当たり前の生活になってしまったので。
でもこの『minimalisim』を読んで、改めてなにか挑戦したいなと思いました。
この本に閉じ込められている、ミニマリズムを推し進めていく高揚感、達成感をまた感じたいなと思ったからです。
なにかおもしろい試みを達成できたら、ブログで報告したいと思います!
この本は、こんまりさんの本のように具体的に「捨てる方法」を説明しているわけではありません。
しかしその分、気持ちを鼓舞するパワーに溢れています。
むしろあらゆる「ミニマリスト本」のなかでも、気分を盛り上げて、背中を押すパワーはトップクラス。
その意味ではバイブル的な一冊です。
ちょっと手に入れにくくなっているので、Amazonなどで古本を買うのがいちばん便利かな。
機会があれば、ぜひ読んでみてください!
他にもある!おすすめミニマリスト本まとめ
その他にもミニマリストが書いた本、ミニマリズムを学べる本をまとめてあります。
ミニマリスト入門書から、マニアックなドキュメントまで。
「ミニマリストなりたい!」
「いろんなミニマリスト参考にしたい!」
と考えている人は、ぜひごらんください。
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