服が少ないって、つまらないと思っていませんか?
朝のクローゼット、何を着ようか迷う時間が実は一番のストレス…なんて経験、誰しもありますよね。
そこでこの記事では、「少ない服でおしゃれを楽しむ」を叶えてくれる素敵な本を6冊ご紹介します。
手持ちの服を見直したい人や、ミニマルファッションに挑戦したい人にぴったりの内容です。
少ない数でも心が満たされる服選びをはじめましょう!
- 憧れを育てる『フランス人は10着しか服を持たない』
- 自分を知る。センスを磨く。『一年3セットの服で生きる「制服化」という最高の方法』
- この勢い、初期衝動『1,000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
- ワンシーズン33アイテムで着回す『もう服は買わない』
- 物語で知るファッションの楽しみ『着るもののきほん100』
- 環境負荷の低いファッションを知りたい人へ『シンプルなクローゼットが地球を救う』
- メンズのベーシックをひとまとめ『10着で十分』
- 【関連】おしゃれなミニマリストを参考にしよう!
憧れを育てる『フランス人は10着しか服を持たない』
今さらですがコレ、すごく良い本。
2014年に発刊されて以来、未だに本屋さんでは目立つところに並べられています。
わたしはずっとタイトルだけ見て、「着回し」を勉強するファッションコーディネイトの本だと勘違いしてました(笑)
原題は「Lessons from MADAME CHIC」で、直訳すると「マダムシックのレッスン」。
パリに留学経験がある著者が、ホームステイ先のマダムから学んだことが綴られています。
つまりファッションに限定した話ではなく、生活全般の話なんですね。
素直にやる気をもらえる、良書だと思います!
本書でキーワードになってくるのが「シック」という言葉。
ホームステイ先のマダムを「マダム・シック」と仮称し、そのシックな暮らしを紹介しています。
シックを辞書で引いてみると、
〈フランス語〉〔服装・家具・場所などが〕しゃれた、おしゃれな、あか抜けした、粋な、シックな、上品な
とあります。
なんにせよ、オシャレで上質。
ポジティブな意味で使われる言葉ですね。
本書はこのシックの概念を念頭において読むと、理解が深まると思います。
この本は、著者のジェニファー・L・スコットさん自身のシックな暮らしを紹介しているわけではありません。
シックな暮らしを実践しているのは、あくまでパリに住む「マダム・シック」。
それを第三者の目線で、憧れをもって紹介するのが本書です。
だからある意味で、著者と読者は同じ目線を共有しています。
例えば石田ゆり子さんのインスタをみて「あんなの憧れるよねー」と友人と話しているような(笑)
これが著者自身のシックな暮らしを披露する内容だったら、なんとなく自慢されているような、鼻持ちならない気分になったでしょう。
でもジェニファー・L・スコットさんは、マダムの教えを実践しつつも、わたしたちと同じようにズボラだったり、怠惰だったりします。
そのわずかな共感が、気分良くページをめくらせてくれる。
学生の頃「生徒指導室」に足を踏み入れるのは、誰しもストレスでしたよね(笑)
「今からあなたを説教します」と言われて、気分が良い人なんていないはず。
いくらその暮らしぶりが素敵でも、上から目線で教えられたら、やっぱり反発したくなる。
でもこの本は、マダム・シックの暮らしを著者といっしょに覗き見して「わ!あんなのいいよね、いいよねー!」と盛り上がる感じ。
だから読んでいると、憧れの気持ちがムクムクと素直に育っていく感じがします。
とてもポジティブな気持ちがもらえるので、ヒットするのもわかる気がしました。
ところでジェニファー・L・スコットさんは、もともとブロガーのよう。
ジェニファーさんのブログ:The Daily Connoisseur
ブロガーが書いた本は短文でサクサク読めるので、個人的には好きですね。
あまり読書に馴染みがない人でも、読みやすいと思います。
ファッションだけの本ではないですか、だからこそまず最初の1冊としておすすめしたいと思います。
これからクローゼットを洗練させたい人に、やる気と勇気と楽しさを与えてくれる本です。
自分を知る。センスを磨く。『一年3セットの服で生きる「制服化」という最高の方法』
ファッションの本は多々あれど、この本はとても大事な指摘をしています。
それは、
内面に洋服を合わせる
という点。
なぜなら内面に向き合わない限り、ファッション業界の提案(という名のマーケティング)を取捨選択する基準がないからです。
近年は「パーソナルカラー診断」や「骨格診断」が流行しています。
それらを頼りに購入する服を決めている人も多いでしょう。
しかし診断が教えてくれるのは、あくまで他人から見た時の似合う・似合わない。
つまるところ、外部評価を獲得することを目指したノウハウでありメソッドです。
極端な話、理屈(診断)として似合っていても、自分としてはその服がぜんぜん好きじゃなかったら?
意味がないとまで言いませんが、冷静に考えればTPOやおしゃれを意識するシーンより、自分の好きな服を着て良いカジュアルシーンの方が多いはず。
だから自分の「好き」とか「着たい」をもっと大事にして良い。
ところが、自信をもって自分の内面を自覚できる人は実はそう多くないと思います。
「わたしはこれが好きなんだ!」と主張することは勇気がいるし、そもそも「わたしってなにが好きなんだろう?」とプレーンな状態な人だっているはず。
そこで自分で自分を知ることが必要になります。
その自分を知るための具体的な方法が、まさに本書で紹介されている制服化というわけです。
所有している服を減らす過程で、自分を知る。
買い物を精度を上げることで、自分を知る。
そうして少しずつ「スタイル」と呼べるようなものが積み上がっていくにつれて、納得感のあるワードローブが出来上がっていくと著者は主張します。
とにもかくにも、「内面に洋服を合わせる」というコンセプトは値千金。
「少数精鋭の服」がテーマになった本は何冊か読みましたが、そのどれもが基本的に「オシャレになる」ことを目指しています。
ところが「オシャレ」は人からの評価なので、ともすれば内面ではなく外部評価に比重が寄っていってしまう。
結果、服を減らすのがむずかしくなったり、減らしたとしても過剰なブランド志向やトレンド思考に陥ってしまうリスクも有る。
それが悪いわけではないですが、これまでは「オシャレ」以外でファッションをたのしむ方法論が存在していないような感触も持っていました。
ところが本書が「内面に洋服を合わせる」とまずはじめにしっかりと主張・定義したことで、新しいファッションの楽しみ方の手がかりを得た気がします。
わたしは常々「もっとファッションを”食べるように”楽しめないか?」と思ってきました。
食べることは、食に詳しかろうか詳しくなかろうが、まして料理ができようができまいが、食べて味わうこと自体に絶対的な主観があります。
自分の感覚でもって、そのごはんを「美味しい!」と楽しむことができる。
その感じた美味しさを、わざわざ人と比べることもしないでしょう。
ファッションも同じように自分の感覚を大事にしたい。
自分が着る服を、なにより自分が「いいな…」と思いたい。
ところがファッションはなまじ見てくれの話であるだけに、油断するとすぐに外部評価に寄っていってしまいます。
わたしは30代も後半になるにつれて、もっと自分が好きな服を着たいと思うようになりました。
花盛りの時代を過ぎて、ファッションにおける異性へのアピールという点はポロポロとこぼれ落ちてきた。
残った芯の部分を自分は育てていきたいと思うのです。
最終的に制服化するかどうかは重要ではなく、制服化の過程が自分の感性を育てる過程になると思います。
本自体はライトな構成で、誰にでも読みやすい。
かなりおすすめのファッション本です。
この勢い、初期衝動『1,000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
著者はファッションエディターの昼田さん。
1,000枚の服を捨てることで、自らが発信してきた「提案」を今度は逆に取り払っていく。
より自由になっていく。
それはある種の矛盾に満ちていますが、とても魅力的に思えました。
この本はミニマリスト系の本の中でも「物を減らし始めた当初の開放感」がよく表現されています。
いわば初期衝動。
なので、読むと自分自身も勢いをもらえる本だと思います。
ワンシーズン33アイテムで着回す『もう服は買わない』
著者のコートニー・カーヴァーは、ご多分もれず服を持ちすぎていました。
しかし多発性硬化症というむずかしい病気を患ったことで一念発起。
ミニマリスト生活へと足を踏み入れます。
その中で彼女が編み出しメソッドがProject333。
ワンシーズン3ヶ月を33枚のファッションアイテムだけで着回すというルールです。
ワードローブの33アイテムに換算するのは、
- 服
- 小物
- アクセサリー
- 靴
の4ジャンル。
33にいれないものは、
- 結婚指輪
- 下着類
- ナイトウェア
- ルームウェア
- トレーニングウェア
とのこと。
コートニーはProject333を実践してく中で、さまざまな気づきを得ていきます。
その内容は他のミニマリスト本でもよく語られていること。
時間やお金の節約、判断力の節約…などなどミニマリストの話が好きな人なら、目新しい部分はないかもしれません。
それでも、服にフォーカスした視点は新鮮なものでした。
この本は内容に焦点が絞られている分、読むべき人もハッキリしています。
ずばり、クローゼットから服が溢れてしまった人が対象です。
この本は男性と女性とでは、感想が違うかもしれません。
レディースファッションはメンズに比べて圧倒的に市場が大きく、バリエーションが豊か。
結果的に女性のほうが大量に服を所有しています。
実際、わたしのワードローブ(冬服)を数えてみると、
- アウター 1
- トップス 4
- ボトム 3
- シューズ 4
- 靴 4
- 小物 8(バッグ、防寒具)
とわずか24点(当時)。
まだぜんぜん買えるじゃん!
っというのはダメですが(笑)、そこまでクローゼットが混乱していないことがわかって良かった。
この本が日本で刊行されたのは2020年です。
英語版さらに数年前の刊行だと思われます。
しかし今でもインスタを見ると、#project33の投稿は続いている。
まだまだ服があふれて困っている人は多そう。
実際にプロジェクトを実行するなら、やはりこの本を読んでインスタやブログで発信するのが楽しいと思います。
ファッションは、
- 自分の好み
- トレンド
- 価格帯
- 機能性
- TPO
などさまざまな要素が複雑に絡み合うパズル。
だからこそじぶんなりの基準を持たないと、その海に溺れてしまう。
『もう、服は買わない』とproject333は、その基準を見つけるのに役立ちそうです!
物語で知るファッションの楽しみ『着るもののきほん100』
とてもユニークな本。
大別すれば小説に属すると思います。
と言いつつ、著者の松浦弥太郎さんの実体験が元になっており、完全にフィクションとも言えない。
またこの企画自体がUNIQLOとのコラボであり、本書はUNIQLOのウェブサイトに連載されていた「Life Wear Story」をまとめたものになっています。
物語のなかで直接UNIQLOを説明する部分はありませんが、さり気なく服の描写が出てくる。
それに応じて、UNIQLOの商品の紹介が。
やっぱり流れの中でこだわりを説明されると、すごく欲しくなりますね(笑)
紹介されている2017年〜2019年の連載時の情報ですが、今でもUNIQLOで買えるものがほとんどです。(後継モデル含む)
とは言え、この本は単なる商品カタログではありません。
服の楽しみかたは、ふたつある。
ひとつはトレンドを楽しむこと。
ファッショントレンドには、決してとどまることなく移りゆく人間模様が表現されています。
その中であたらしい自分を発見したり、他人から褒められたり、逆に憧れたりすることは、とても素敵な文化です。
一方で、トレンドじゃない楽しみ方もある。
それは服に愛着を持つこと。
ひとつの洋服を長く着たり、同じモデルを買い直し続けたり。
わたしは、人間の幸せの半分は、愛着でできているように感じます。
人間は他人や土地、物に対して自然と愛着を持ちますよね。
愛着は安心になって、人の心をホッとさせます。
ときに変化=トレンドも大事だけど、半分は愛着を持たないと、地に足がつかない。
そしてUNIQLOはその愛着の文化と、極めて相性が良いでしょう。
UNIQLOはファストファッションにカテゴライズされますが、その実態はファストというよりスロー。
極めて早く(ファストに)トレンドと取り入れるというより、トレンドを見極めながら、じっくりとベーシックに反映させています。
UNIQLOは2024年で創業40周年。
わたしたちが子どもの頃からフリースやシャツなど、定番アイテムを研ぎ澄まし続けているブランドってなかなかありません。
結果、近年のUNIQLOは縫製や生地、また価格も含めて極めて高いレベルに到達しています。
きっと誰しも「いつの間にかこの服、3年も着てるな…」なんてUNIQLOがクローゼットにあるのではないでしょうか。
服に愛着をもつ楽しみ方をしたい。
そう思ったとき、UNIQLOは極めて現実的なブランドです。
品質が高いので長く着れる。
気に入ったモデルは翌年以降も買い直せる。
そして現実的に購入できる価格である。
「Life Wear」とは、ほんとに言い当て妙です。
その上で『着るもののきほん100』を見ると、この本は実際に服に愛着をもつ方法を教えてくれるようです。
親から受け継いだ服。
子どもの頃から着ている服。
パートナーや家族とシェアする服。
そんな服との付き合い方が登場して、それがなんとも幸福に思える。
世の中の服の情報は「愛着の持ち方」より「トレンドの楽しみ方」の方がやっぱり多いです。
その意味でこの本は、貴重な内容かもしれません。
UNIQLOや松浦弥太郎さんに興味がある人の方が楽しめる思いますが、そうでなくても興味深く読めるのではないでしょうか。
ストーリーとしてはわりとシンプルなラブストーリーなので、誰でも安心して読めると思います。
1話のボリュームも、物語のテイストも、連続テレビ小説ぐらいの感じです(笑)
だから1日1話を100日間かけて読むのも、なんか素敵。
ぜひ手にとってみてください。
環境負荷の低いファッションを知りたい人へ『シンプルなクローゼットが地球を救う』
根深い問題になっているファッションの環境問題、人権問題。
もう何年も継続して議論されている気がしますが、この本はわたしたち消費者がその問題のためにできることがよくまとめられています。
「環境問題を解決したかったら、服を買わなきゃいい」のは正論ですが、それは誰でも言えること。
この本は「今の条件の中で、いかに楽しむか」を考えているので、読んでいて意外と説教臭くなく読みやすい。
なんならこの本の著者は上記の「1,000枚の服ーー」「一年3セットーー」の両名の著者より、ぜんぜん服を持っています(笑)
この流れで関連本を読んでいるからかもしれませんが、十分にこれならできそうという感覚を持てました。
メンズのベーシックをひとまとめ『10着で十分』
ファッションYouTuberとして人気のスタイリスト大山シュンさんの本。
ここまでの本は基本的に「減らしたらOK!そこがゴール」という提案でした。
ただ『10着で十分』は、少ないワードローブに絞ったうえで、そこからファッションを楽しむ方法が提案されています。
そのアイテムを選ぶ根拠、コーデのテクニックが紹介されており、ある意味で王道のファッション本的な内容。
断捨離の有用性を語ったり、環境負荷を低減しようとメッセージを書いているわけではありません。
しかしそのような意識を持ったうえでファッションを楽しむと、結果的に『10着で十分』のスタイルが極めて現実的にも思います。
何より貴重なメンズファッションに特化した本。
男性からすると、いちばん読みやすいのでおすすめです。
【関連】おしゃれなミニマリストを参考にしよう!
今日も読んでいただきありがとうございます。
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